「食」を通して生きる力を育むという意味を持つ、食育という言葉を知っていますか?
最近では、学校教育にも組み込まれている食育ですが、「食べる」という行為は、生まれた瞬間からはじまります。
つまり、人生最初の食育を担当するのは学校の先生ではなく、お母さん・お父さんなのです。
今回は好き嫌いという観点から、1歳からはじめる食育について、詳しく解説していきます。
1歳からはじめる食育とは?
生後5~6ヶ月からはじめた離乳食も、1歳を過ぎると食べられる食材が増えてきて、噛む力もついてきます。
離乳食完了期と呼ばれるこの時期は、おにぎりやお焼きなどの手づかみメニューを取り入れて、子供の食べる意欲を育ててあげましょう。
幼児食前期(1歳半~2歳)
1歳半から、幼児食へと移行します。
食べる楽しさに目覚める時期なのですが、ちょうどイヤイヤ期もはじまるので、お母さんを困らせてしまうことも多いのですが、根気強く見守りましょう。
幼児食後期(3歳~5歳)
この頃には奥歯も生えそろい、少し濃い味付けに挑戦したり、メニューの幅も広がります。
また、幼稚園の給食や遠足でのお弁当など、これまでになかった「食」のはじめての経験をすることが多いのもこの時期の特徴です。
このように、離乳食完了期~幼児食の時期は、子供にとって様々な「食」の経験ができるとても貴重な時期なのです。
好き嫌いがはじめるのも幼児食からが多い?
離乳食の時期は何でもパクパク食べてくれていたのに、ある日突然昨日まで食べていたものを食べなくなった!なんてショックな経験をしたことがあるお母さん、多いのではないでしょうか?
これは味覚が発達してきたという成長の証なのですが、毎日メニューを考えるお母さんとしては、困ってしまいますよね。
ではなぜ幼児期に子供の好き嫌いが始まるのか、その原因を考えてみましょう。
味覚がとても敏感
舌には食べ物の味を感じる器官である「味蕾」があるのですが、子供は大人の約2倍、味蕾が敏感だと言われています。
そのため、大人は感じない程度の苦みや酸味でも、とても苦く・酸っぱく感じているのです。
ほうれん草やブロッコリー、トマトを嫌う子供が多いのもこのためです。
警戒心が強い
はじめて食卓に出した食材は食べようとしない「食わず嫌い」の子供も多いです。
特に感受性の強い子供は、本能的に自分を守ろうとする警戒心から、見たことがない、わけのわからないものは食べない!とテコでも口を開けようとしないことも。
そんな時は、お母さんとお父さんもいっしょに「おいしいよ」と食べてみせると、安心して食べてくれるかもしれませんよ。
噛む力の問題
味の好き嫌いではなく、噛む力が弱いので、噛みにくくて食べられない可能性もあります。
小さく切る、切りこみを入れるなど工夫してみたら食べるかもしれないので、一度試してみてくださいね。
食を楽しむことを覚えさせる
幼児食のこの時期に大切な食育が、「食を楽しむ」ことです。
食事はみんないっしょに
食卓にはいっしょにつくけれど、子供ひとりがごはんを食べてお母さんは食べさせるサポートをしているだけ、という状態よりも、毎日いっしょにごはんを食べるという経験をさせてあげてください。
もちろん、お母さん自身は落ち着いて食べることも難しいですし、少し目を離した隙に子供がスープをこぼしてしまう、なんてことがあるかもしれませんが、「おいしいね」「今日はお野菜食べられたね」と会話をしながら食事をすることが、健やかな心を育みます。
食べ物が登場する絵本を読む
子供の多くは、食べ物が出てくる絵本が大好きです。
有名な「はらぺこあおむし」や「くだもの」、「おべんとう」など、食べ物が登場する絵本を読んで、食に対する興味を育てましょう。
料理のお手伝い
幼児期後期になると、簡単なお手伝いもできるようになります。
たまにはポテトサラダのジャガイモをつぶすなど、簡単なことでいいのでいっしょに料理をしてみましょう。
自分が食べているものをどのように作ってくれているのか知ることも、大切な食育です。
お母さんだけではなく家族みんなで、楽しみながら子供の食育を考えてみてくださいね。